兵庫県丹波篠山市の黒豆卸業・小田垣商店が、敷地内にある国の有形文化財に登録された大正期の離れ座敷などを利用して整備していた一棟貸しの宿泊施設「豆家(まめや)」が完成し、きょう17日にオープンした。小田垣昇社長は「黒豆や丹波篠山を国内外に発信する拠点にしたい」と話している。
いずれも2007年に同文化財に登録された全10軒の建物を、7年前から3期に分けて改修してきた。
最終3期目で改修した、2階建ての離れ座敷(延べ床面積約165平方メートル)の1階は洋間のラウンジと畳敷きのリビングに。2階は寝室にし、ダブルベッド2台を置いた。便所・風呂棟はそのまま改修した。
この他、茶室は石庭を望みながら地元食材を中心にした料理を楽しめる朝食部屋に、茶室横の座敷は能舞台にもなるデザインにした。茶室は地元愛好家に貸し出し、座敷はヨガ体験に利用することも計画している。明治末期の塀も改修した。
同社はこれまでに改修した他の建物を、ショップやカフェ「小田垣豆堂(まめどう)」、体験キッチンなどとしてすでに活用している。
豆家の宿泊料金はシーズンによって異なり、1泊1棟約14―20万円(素泊まり)の予定で、3人目以降は1万円追加。定員5人。公式サイトから予約する。