兵庫県丹波市の青垣いきものふれあいの里で始まった企画展「淡水魚と水辺のいきもの展」で、同市を流れる加古川上流の佐治川支流で釣れたイワナ、ヤマメ、アマゴの3魚種が展示されている。遺伝子を調べておらず、放流されたものか、天然かは定かでないが、同じ川で5月17日に実施した調査で釣れた。いずれも冷たい水でなければ生息できない。夏の暑さや水量の減少で厳しい生息環境の中、生命をつないでいる。
いずれもサケ科の代表的渓流魚。丹波市でイワナ、ヤマメは極めて希少。イワナとアマゴ、イワナとヤマメがすむ川はあるが、3魚種がそろう川は稀。
県内では日本海側に注ぐ川の源流域にヤマメ、瀬戸内海側にアマゴ、と生息域が分かれている。丹波市は本州一低い中央分水界「水分れ」があり、分水嶺を越え生き物が行き来した「氷上回廊」により、両方が混生。ヤマメは「氷上回廊」の生き証人。アマゴは養魚場があり、なじみがある。
同施設の西垣一也さんは「目の前で釣り上げられた。感動的」と喜び、目玉展示の見物に来場を、と呼びかけている。
県内では数カ所しか見つかっていない、県レッドデータAランクのホトケドジョウ、「要調査」のナガレホトケドジョウなど、加古川、由良川水系の生き物30点を出展している。6月29日まで。無料。月曜休館。