兵庫県丹波篠山市内で新緑の里山を歩いていると、「タラララララララ」という不思議な音が響き渡る。耳を澄ませて発信源にレンズを向けると、そこにいたのは「コゲラ」だ。
全長15センチほどで、日本最小、最軽量のキツツキの仲間。背中のこげ茶と白い模様が特徴的。年間を通じて各地で見られる「留鳥」で、都市部の公園などでも見ることができる。
音の正体は、コゲラが1秒間に数十回という超高速で木にくちばしを打ち付ける音。かなりのシャッタースピードでもぶれてしまうほどの速さだ。
木をつつくのは、▽木の中にいる虫を探す▽巣穴を開ける▽なわばり宣言や求愛などを目的にした「ドラミング」―のいずれか。特に繁殖期の今はドラミングが盛んになるとされ、記者の目の前でも別の木で2羽のコゲラがそれぞれドラミングで競っている。もう〝愛のドラム〟大会だ。
それにしても脳震盪(のうしんとう)を起こさないか心配になるが、脳の大きさや比較的軟らかい木を狙っているため、大丈夫なんだとか。
キツツキらしいとがったくちばしにつぶらな瞳で、必死に木をつつくコゲラ。絶滅危惧種や珍鳥に注目が集まりがちだが、普通に見られる鳥も改めて大切にしたいと思う「愛鳥週間」。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)
※愛鳥週間に合わせて、丹波新聞鳥部では10~16日までの間、毎日1本ずつ野鳥記事をアップする「ササヤマ初夏の鳥まつり」を開催します。どうぞご覧くださいませ。