春季兵庫県高校野球大会の3回戦がこのほど、姫路市ウインク球場で行われ、篠山産業が昨秋の県、近畿大会覇者の東洋大姫路と対戦。0―4で敗れたものの、1イニング1点以下に抑え、あと1本というところまでチャンスを広げるなど強豪相手に善戦した。篠山産業は2回戦(同26日)の福崎戦に勝利し、27年ぶりの同大会ベスト16を果たし、夏の第1シードを獲得した。
篠山産業は東洋大姫路戦の一回裏、適時打で1点を奪われるも、4番バッターをセカンドゴロのダブルプレーに打ち取った。二回表、6番・澤快成さん(2年、長坂中出身)がファーストとライト間に落ちるヒットで出塁。7番・木村彪我さん(2年、西宮・山口中出身)がヒットエンドランでうまく転がし、2死二塁としたが、後続を断たれた。
三回表、1番・松本潤哉さん(3年、けやき台中出身)の右前打と二盗で1死二塁にすると、2番・松本憲汰さん(同)が四球を選び、一、二塁のチャンスを演出したが、得点に結びつけることができなかった。
四、五、六回は打線が沈黙。七回に5番・千葉陽真さん(2年、ゆりのき台中出身)がなんとか出塁しようと、絶妙なセーフティーバントを見せたが、あと少しのところでアウトとなった。
八回表、東洋大姫路は木下鷹大投手(3年、市島中出身)が登板すると、その速球に対応できなかった。
篠山産業の西山幸希投手(3年、黒田庄中出身)は「低めに投げようとしたが、終盤は高くなってしまった。10回までしっかりと投げられるような体力をつけて、リベンジしたい」、安井大莉捕手(2年、丹南中出身)は「西山投手は伸びのある球を投げていた。終盤は東洋大姫路に対応力があった。相手のビッグイニングはなかったので、そこは良かった。配球の知識をもうワンランク上げて夏に臨みたい」と気合を入れていた。
森本皓也主将(3年、市島中出身)は最終回に最終バッターとなり、同じ中学、氷上ボーイズ出身の木下投手との「同級生対決」はショートゴロに打ち取られたが、「バットの芯には当たった。それをヒットにできるように夏に向けて練習したい」と奮起を誓い、「そんなに差はなかったと思うが、(四回と六回の失点につながる2つの)エラーで負けた。相手打線の打球は良く伸びた。自分たちもそれを目指して追い抜きたい」と試合を振り返った。
長澤宏行監督(72)は「木下投手が投げるとリズムが違っていた。選手たちはよくやった。ベスト16が取れ、それは一つ良かった」と話した。
祝日ということもあり、地元からも大勢の応援が訪れた。丹波篠山市の酒井隆明市長は「近畿優勝校に堂々の戦いだった」とねぎらった。