兵庫県丹波市立黒井小学校3年生(22人)の総合学習「釣りを通じた環境学習」が16日、始まった。黒井川で児童が魚を釣り、河川改修した川に魚が戻ってきているかどうかを調べる。
水辺の環境への興味関心の醸成や安全対策の啓発などを通じ、子どもの健全な育成などに貢献しようと、日本釣振興会が2021年度から関東で取り組んでいる事業。釣り具メーカー、ささめ針(同市山南町奥)の篠倉庸良社長が同会の理事を務めており、振興会と同社が同校に打診し、県内初開催が実現した。
初回は座学。同社の中川明彦営業部長(42)が丹波市内に生息している魚と日本の海で釣れる魚の写真を示し、魚名を当てるクイズを出した。児童はアブラハヤ、カワムツ、フナなどの淡水魚の魚名は「知らない」「分からない」とお手上げ。カニやザリガニなど、知っている生き物に歓声を上げた。
中川さんは、昭和58年(1983)9月豪雨で黒井川が氾濫し、大きな被害が出たことや、現在、同川で進んでいる改修工事などを説明。「生き物にとっては新しい家ができたようなもの。新しい家に生き物がすむかどうか、釣って調べよう」と投げかけた。また、釣りに出かける際は、▽ライフジャケットを着用する▽1人で行かない―など、安全面を注意喚起した。
次回、竹で釣り竿を作り、最終回で釣りに行く。振興会の釣り名人が同行し、児童を指南する。
魚に詳しい赤尾一信さんは「もしいたら、マスを釣りたい」と言い、善積紗雪さんは「魚が戻っているかなあ」と心配していた。