サンフレッチェに挑む サッカー「天皇杯」2回戦 佐賀代表「Brew SAGA」 キーパーの八尾さん「失うものは何もない」

2025.06.09
丹波市地域地域

所属チームがJリーグ・サンフレッチェ広島と対戦する八尾さん。「プロチームにアピールしたい」と話す(提供)

兵庫県立柏原高校サッカー部出身の八尾駿介さん(27)が所属する、佐賀県鹿島市を拠点にする社会人チーム「Brew SAGA」(以下、Brew)が11日、「天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会」の2回戦で、Jリーグ・サンフレッチェ広島と対戦する。昼間は選手それぞれがサラリーマンなどをしながらプレーしているアマチュアのBrewにとっては、Jリーグ優勝経験もあるプロの強豪と対戦する大一番。「失うものは何もない。チャレンジ精神で、おじけづくことなく立ち向かうだけ。全力を出し切り、勝ちたい」と意気込む。試合は午後6時半から福山通運ローズスタジアム(広島県福山市)で。

八尾さんはゴールキーパー。鹿島市内の酒造場で蔵人をしながら平日夜に練習、週末は試合に臨んでいる。

4―5月の佐賀県代表決定戦2試合を零封し、2年ぶりの優勝に貢献。5月24日の天皇杯1回戦で、Brewは熊本県代表のイロンデル熊本を2―1で破り、サンフレッチェとの挑戦権をつかんだ。「2回戦に意識が向いたが、まずは1回戦に勝たないと、とチームで共通認識を持った」という。

自陣から攻撃につなぐパスを供給し、ディフェンスへの指示とリスク管理を意識したプレーが持ち味の八尾さん(提供)

現チームの特徴を「後ろからつないで中盤で左右に散らしながらゴールを狙う攻撃スタイル。守備では球際で体を張れている」とし、自身も自陣から攻撃につなぐパスを供給し、ディフェンスへの指示とリスク管理を意識したプレーでチームに貢献している。

2015年、柏原高サッカー部が36年ぶりとなる県総体8強を成し遂げた時のメンバーで、選手自らでチームづくりや、グラウンドの外でのあるべき行動や振る舞いを追求した世代。「高校での取り組みはずっと心の中にあり、卒業後もサッカー選手として、社会人として意識してやってきた」と振り返る。

11日には当時のチームメートらが広島に駆け付け、「ジャイアントキリング(大番狂わせ)を起こせ」と声援を送る。「丹波からの応援は力になる。私のように中学からサッカーを始めた選手でも、このような舞台に立てることを伝えたい。また、丹波人として活躍する姿を見せたい」と意気込んでいる。

天皇杯はプロ、社会人、大学の88チームが出場。決勝は11月22日。

【やお・しゅんすけ】 兵庫県丹波市立氷上中学校からサッカーを始める。当時からゴールキーパー。柏原高校、姫路獨協大卒。より高いレベルの環境と出場機会を求めて、介護職をしながら社会人チーム「Cento Cuore HARIMA」(兵庫県播磨地域)で3年、「JAPANサッカーカレッジ」(サッカー専門学校、新潟県)で教務助手をしながら1年プレーし、昨年2月に現チーム(九州リーグ所属)に加入。183センチ、75キロ。背番号「31」。

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