市観光協会「組織継続危ぶまれる」 繰越金や積立金が顕著に減少 3年で収支均衡目指す

2025.06.28
丹波市地域地域観光

兵庫県丹波市観光協会が、同市内で今年度の総会を開き、今年度の事業計画、収支予算などを認めた。過去3年間、事業合計で600―800万円の損失があり、それを埋めるために繰越金や積立金が顕著に減少。「手を打たなければ2、3年で組織継続が危ぶまれる財務状況」とし、今年度から3年間を「協会再生の3カ年」として集中的に取り組むとした。今年度は収益改善のため、さまざまな手段を試行するとし、2027年度に収支均衡、翌28年度から利益拡大を目指す。

22年度末の積立金と繰越金の合計は約2512万円だったが、昨年度末で約1345万円に減少している。今年度も赤字予算。収益事業の売り上げ減少や、同市の氷上PA「いっぷく茶屋」の赤字などを課題に挙げる。

今年度は、観光振興の▽ブランド戦略▽マーケティング戦略▽観光DX推進―に注力するとした。「丹波市に行きたい」という気持ちを醸成するため、例えば月内に市内で開かれる催しをまとめた「マンスリー丹波市」を発行し、同協会と共に観光情報を発信する「まごころ応援団」の店舗に置く。また、ボランティアガイドや観光事業者向けに「ニュースレター」を提供し、観光客数の動向や増減の原因など観光情報を分析した的確な情報を伝えるとした。

組織改革の実践として、各種研修など会員向けサービスの強化を図り、会員数の増加を目指す。収益事業における収益性改善のため、7月の「たんば恐竜博物館」のリニューアルに伴う売り場の強化、ECサイトの強化にも力を入れる。足立環会長は取材に「恐竜博物館の物販が鍵」とコメントした。

職場環境の改善にも注力し、フレックスタイム制の導入など働きやすい勤務体制を導入するとした。

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