最先端のがん治療へ 約150億円投じ製造施設 ノバルティスファーマ社

2025.06.26
地域注目

新製造施設の完成予想図(提供)

スイス製薬大手の日本法人ノバルティスファーマ(本社・東京都港区)の生産・供給拠点である日本チバガイギー篠山工場(兵庫県丹波篠山市日置)でこのほど、最先端のがん治療のために約1億ドル(約150億円)を投資して建設する製造施設の安全祈願祭が行われた。2026年上半期の着工を目指す。

「放射性リガンド療法」と言われる治療法で、放射線を放出する医薬品を投与し、がん細胞と結合。がん細胞の内側から照射し、がん細胞を破壊する。同施設では、「放射性同位元素」と言われる放射線を放出する物質を海外から輸入し、がん細胞に届く化合物とを結合させ、医薬品を製造。全国の医療機関に供給する。

安全祈願祭に臨んだノバルティスファーマ社のジョンポール・プリシーノ社長(中央)、酒井市長(右端)、畑尾宮司(左から2人目)ら=兵庫県丹波篠山市日置で

村上哲哉工場長は、十分な耐震強度での建設や、24時間の放射線監視センターの設置、作業員の安全検査などに触れ、「全ての規制を遵守し、工場内外の安全管理を徹底していきたい」と話した。

また、ノバルティスファーマ社のジョンポール・プリシーノ社長は「進行がんの患者さんへの画期的な治療法。日本の患者さんに貢献したい」と述べた。

神事では、磯宮八幡神社の畑尾芳彦宮司が取り仕切り、同社や工事関係者、酒井隆明市長も参列。工事の無事を祈った。

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