植え付けピーク 丹波篠山特産の黒大豆 高温少雨も農家「豆との会話大切」

2025.06.30
地域注目観光

移植機「なかよしくん」を使い、黒大豆の苗を植え付けていく大西さんら=兵庫県丹波篠山市菅で

兵庫県丹波篠山市内各地で、特産の黒大豆の植え付け作業が最盛期を迎えている。各農家は手際よく、等間隔に苗を移植。秋の枝豆、冬の黒豆へと、手間暇かけて丹精する工程が始まった。

300年以上にわたって育まれてきた在来系統「丹波黒」は、大豆の中で最大級とされる粒の大きさと甘み、こくが特徴。「丹波篠山の黒大豆栽培―ムラが支える優良種子と家族農業」として日本農業遺産にも認定されている。

昨年度、市内では2738戸の農家が747・4ヘクタールで栽培している。

「ふみちゃん農園」の代表、大西冨美子さん(78)は今年度、40㌃を栽培。半分を枝豆、残りを黒豆にすると言い、都市部の人たちや企業などとも栽培や収穫体験を通して交流している。

近年、高温少雨などの影響で生育不良になっているケースがあるが、大西さんは例年通りの出来だったと言い、「毎朝、黒豆の前に立って“会話”することが大事。水が欲しいなど、豆が何をして欲しいか教えてくれる。これが黒豆栽培の師匠に教わったこと」とにっこり。「おいしい豆を作り、買いに来てくださる人との交流がやりがい。今年も大きな豆が出来るように頑張る」と気合を入れていた。

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