榎峠トンネルが貫通 丹波市⇔福知山市「気軽に」 2026年度供用開始

2025.06.15
丹波市地域

榎峠トンネル(仮称)の貫通を府県境で喜ぶ関係者=トンネル坑内で

兵庫県丹波市青垣町中佐治と京都府福知山市談を結ぶ、国道429号榎峠トンネル(仮称)の貫通式が8日、同トンネル坑内の京都府と兵庫県境で開かれた。地元住民を含む関係者200人ほどが出席し、貫通発破のセレモニーのほか、府県両地元住民らによる通り初めや鏡開きなどがあった。供用開始は2026年度の予定。

地元3世代の代表として、県側は青垣町中佐治の3組が通り初めに参加。府側と合わせて計6組全員の姓が“足立さん”だった。

足立京子さん(66)、愛さん(40)、紬さん(7)、菫さん(5)一家も歩いた。京子さんは「車で榎峠を通るのが怖くて、福知山市に用事があるときは穴裏峠まで行っていた。便利になるのはうれしい」と笑顔。愛さんは「気軽に福知山市に買い物に行けるようになる。通勤に使う人も増えるのでは」と話した。

丹波市合併まで青垣町長を務めた武田信一さん(97)は自身の足で歩いて式典に参加。トンネル化は1996年の選挙時公約。「生きがいのようにしてきた。感無量。開通式まで元気でいたい」と喜びを語った。

発注者の服部洋平県副知事は「開通すると、地域の活性化や産業振興になると期待している」、鈴木一弥府副知事は「両エリアが互いに通じ、きょうのように風が通り、顔が見られる関係を続けたい」とあいさつした。

榎峠バイパスの延長2・4キロのうち、1092メートルがトンネル。貫通式は、県側受注者の森・中村・宇都宮特別共同企業体、府側受注者の大林・鶴美・マルキ特定建設工事共同企業体が主催した。

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