空き倉庫改装し「屋台」 全天候型、遅めの時間に”一杯”を 「夏暑く冬寒い。それも魅力」

2025.06.17
丹波市地域地域注目観光

空き倉庫を改装し、屋内に設けられた屋台=兵庫県丹波市春日町国領で

空き倉庫だった物件を改装し、屋根を付けた手作りの屋台を屋内に設けた飲食店「屋台飯ロック」(三澤孝夫代表)が、兵庫県丹波市春日町国領にオープンした。屋内のため、天候に左右されない「全天候型」を売りの一つにする一方で、一般的な屋台の特徴「夏は暑くて冬は寒い」を地でいく営業スタイル。ラーメンやチャーシューメン、もつ煮、餃子などの定番メニューに、ビールやハイボールなどアルコール類を提供し、夜遅めの時間に“一杯”が楽しめる。家族連れも歓迎している。代表の三澤さん(64)は、「夜遅い時間に楽しみたい人の受け皿になれれば」と話している。

巡礼橋のそば。60平方メートルの店内に、今年3月から三澤さんと仲間が端材などを活用してこしらえた屋台を設置。台湾風の色鮮やかなちょうちんが雰囲気を醸し出し、9席あるカウンターは、店主と向かい合う形で座る屋台そのもの。他にテーブル席も用意している。「水道とガス、電気の工事以外は全て自分たちでやった」(三澤さん)

看板メニューは、三澤さんが、この店のために試作を重ねたラーメン(税込700円)。煮干しとかつお節、根菜でスープを取った、しょうゆベースの中華そばで、「シンプルさにこだわった」。

プレオープン日ににぎわう店内

神戸市の精肉店から取り寄せて作るブタのもつ煮(同600円)はみそ味。大根とニンジン、ゴボウ、コンニャクと煮込む。すぐ近くの餃子店「丹波松ちゃん餃子」(松岡伸郎さん営業)が、丹波の食材を使った手づつみ餃子(同350円)を提供。この他、チャーシューメン(同1000円)やもつラーメン(同900円)、チャーシュー丼「ロック丼」(同600円)、もつ煮定食(900円)、ソフトドリンクなどがある。三澤さん、松岡さん(54)が店を切り盛りする。

本業のハンバーガー店の運営のほか、店舗のプロデュース業にも力を入れる三澤さん。地域住民から借りた空き倉庫は、カフェのオープン計画がとん挫していたが、近くで喫茶店「純喫茶国領」を営んだり、「丹波松ちゃん餃子」の開店に携わったりした経緯から、三澤さんが経営に乗り出すことにした。

近くに夜遅い時間帯に開いている店が少なく、近隣住民を含め客に和気あいあいとした雰囲気を楽しんでもらえたらと、親しみやすい屋台にいきついた。「建物の中に建屋があるというイメージで、屋台風であることにこだわった」と話す。

店名「ロック」には、好きな音楽ジャンルのロックと、自身の誕生日の意味を持たせた。プレオープンには、開店と同時に続々と客が足を運んだ。三澤さんは「使いようによっては、空き倉庫でも飲食店ができる。地域の活性化につながれば」と話している。

毎週金―日曜に営業。金・土曜は午後6―11時、日曜は6―10時。

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