昨年の猛暑を受け、兵庫県丹波市内の小学校で今年度、運動会の日程見直しが行われている。昨年までは9月が多かったが、“暑さ対策”で多くの学校が時期をずらし、山南地域の小川、和田の2小学校は6月7日に、他の小学校は10月に行う予定。9月開催は、今年度はゼロになった。
9月も暑さが厳しくなり、練習、本番中の熱中症が心配される中、「運動会をいつにするか」は近年、悩ましい状況になっている。同じ地域のこども園の運動会や中学校の体育祭、部活の新人戦、地域の祭りなど各方面との調整や、自然学校や修学旅行といった他の行事との兼ね合いがあるためだ。
小川は昨年度、校舎の改修に伴う事情があり、5月に開催。教員と保護者の両方から「良い時期だった」という声が多く上がり、今年度も1学期開催を継続した。井上直志校長は「これまでは、学級づくりがきちんとできた2学期に運動会を、という考えだった。しかし1学期にしてみると、運動会という目標に向けてクラスがまとまることができた」と振り返る。
和田は今年度、初めて6月に変更した。昨年9月の運動会開催後に行った保護者アンケートで「時期を変えた方が良い」が約7割にのぼったことや、小川の例を参考にしたという。
昨年度は、暑さ指数が基準値を超えて練習を中止した日もあり、屋外での練習は極力避けるなど対策に苦慮してきたが、今年度は今のところスムーズに練習が進んでいるという。体育担当の倉橋祐史教諭は「プール水泳の準備や他の学校行事などもあり、練習の日程調整はハードだが、何といっても涼しいのはありがたい」と話す。
同小は時期を早めたことに伴い、6年生が新年度の始めから意識を持って取り組めるよう、昨年度末の5年生時に色組分けを行い、各色組の団長も選出していた。また、プログラムも見直し、関わる教職員数を増やすことで内容を充実させようと、1・2年、3・4年、5・6年の3グループで行っていた表現活動を、1―3年、4―6年の2グループに変更するなどした。本格的な練習は今月19日から始め、本番に向けて熱が入ってきている。
一方、10月に開催する学校の運動会は、第1週と第3週の週末に分かれている。
氷上地域の5校は昨年度、9月から10月第1週に変更。今年度も同じ時期に決めている。西小学校の梅垣泰三校長は「9月開催の時と練習時間数は変わらないが、夏休み明けの1週間が余裕を持って過ごせるようになった」と言い、「屋外での練習開始を遅らせることができ、熱中症の心配が減らせた」と話している。
春日、市島地域の全校と、山南地域の久下、上久下、柏原地域の新井は今年度、9月から10月に変更した。青垣は昨年度も10月開催だった。崇広は、昨年度は9月開催だったが、10月開催の年もあった。
なお中学校の体育祭は、3校が昨年度より1週間遅くしたが、全6校とも9月に開催する。