丹波市内の山野などを駆け抜けるトレイルランニングの大会「TAMBA100アドベンチャートレイル」(同実行委員会主催)のレースが、兵庫県丹波市の丹波の森公苑などを発着点とするコースで開かれた。7部門が行われ、計300人以上がエントリー。距離、高低差など最も過酷な100マイルで、男子総合は山本諒馬さん(31)=岡山県=が40時間43分33秒で連覇、女子総合は橋本由紀さん(53)=福岡県=が54時間47分17秒で頂点に立った。
いずれの部門も、暑さが選手を苦しめた。山本さんは「市民が応援してくれる温かい大会。目指していた頂点に立てて良かった」。
昨年2位だった橋本さんは、前夜祭で「スタートしたらやめるという選択肢はない」と宣言。レース後には「1年たつときつさを忘れてしまっていた」と苦笑いだった。
地元勢では、足立伸一さん(49)が51時間3分19秒をマークし、男子40歳代部門で1位に輝いた。総合7位だった。
足立さんは「とにかく暑さがつらかった」と言い、激しく上昇する心拍数を抑えるため、あえてアップダウンはゆっくり歩いたという。その分、明け方や夕方の涼しくなる時間帯にスピードを上げ、順位を押し上げた。
「大会を終え、やっと宿題が終わったような感覚でほっとしている。来年も出たい」と次の目標を見据えた。
大会全般を統括した大会総合プロデューサー、中谷亮太さん(34)は、「大会に関わった人の笑顔、涙があり、物語が生まれるのを目の当たりにし、この大会にストーリーを感じた」と話した。
市民は沿道で応援したり、ランナーの休息所「エイドステーション」を運営したりして選手の挑戦を後押しした。大会には約200人のボランティアスタッフが参加し、運営を支えた。