まちの図書館1周年 18日に記念イベント 駅舎の待合室「ちーたん文庫」

2025.07.02
丹波市地域観光

JR谷川駅待合室「ちーたん文庫」の1周年イベントへの来場を呼びかける運営メンバーら=兵庫県丹波市山南町谷川で

兵庫県丹波市山南地域の有志らが、JR谷川駅(山南町池谷)の待合室で本が借りられる「ちーたん文庫」を開設して1年になるのを記念し、7月18日に同待合室でイベントを開く。今年3月までに貸し出した本は約360冊に上り、備え付けのノートにはたくさんのコメントが寄せられている。運営グループ「ちーたん文庫FRIENDS(フレンズ)」の大原隆子代表(62)は「いろいろな人が利用する『駅』という場所で、思い描いていた以上のことができてうれしい」と喜んでいる。

同文庫は昨年7月8日、地域で本を貸し借りする「まちライブラリー」としてオープン。本棚は、旧山南中学校にあったものを活用した。「フレンズ」(7人)のメンバーが、持ち寄ったり、購入したりした300冊を並べている。

また毎月、同グループの永井暁美さんが紙で作った季節のモチーフを飾り、宮崎千枝美さんが自作の季節の苔玉で彩りを添えている。備え付けノートには「素敵な取り組みに心がポカポカしました」などと、通勤、通学利用者だけでなく、旅行者や帰省した人など全国各地からの利用者が書き込んでおり、好評ぶりが伝わる。

山南中学校運営協議会委員を務めている清水てるみさんが、同中生にも参加を呼びかけ、昨年11月に「フレンズジュニア」が発足。おすすめ本の紹介カードを作ったり、折り紙で飾りを作ったりし、盛り上げに貢献した。今年度は2、3年生8人が活動している。

プレゼントのしおりを作るメンバーら

1周年が近づく中、松本和美さんが「作りためた壁飾りを生かして、紙芝居を作っては」と発案。永井さんの飾りを画用紙に貼り直し、松本さんがストーリーを付けて、紙芝居「ふうたくんとえりちゃんのふしぎなおはなし」が完成した。紙芝居の木枠は、藤本利一さんが手作りした。

同中の阿野良介さん(3年)は「本はもともと好きだけれど、活動を始めてさらに関心を持つようになった。ノートに温かいコメントが書いてあってうれしい」と話す。田中葉音澄さん(同)は「しおりや飾り、本の紹介カードなど、いろいろ作ったりできて楽しい。ちーたん文庫が、大人も子どももみんなが集まれる場所になったらいいな」と笑顔で話した。

イベントをする来月18日は、1学期最終日。上り・下り線が同駅に到着する午後1時48分と、同2時49分に合わせ、手作りしおりのプレゼントと、オリジナル紙芝居の上演を行う。

大阪市立図書館に長年務めた大原代表は「絵本の貸し出しが多いのもうれしい。子どもたちも本を好きになってくれたら」と話していた。

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