参道の玉垣修復へ 「牛馬の神様」舟城神社 災害で崩落、資金募る

2025.10.31
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舟城神社の参道玉垣の修復に向け、クラウドファンディングに挑戦している伊賀さん、村山宮司、足立さん(左から)=兵庫県丹波市春日町長王で

「牛馬の神様」として信仰され、本殿が兵庫県重要文化財に指定されている同県丹波市春日町長王の舟城神社(村山義人宮司)の氏子らは、2014年8月の豪雨災害により一部が崩壊した参道玉垣の修復工事を行っており、その費用をインターネット上で募るクラウドファンディングに挑戦している。近年、氏子の減少や高齢化が進み、既存の資金のみでは賄いきれないのが現状。同神社の歴史と文化を次世代へ継承していくため、損なわれた歴史的景観の再生に取り組みたいと支援を呼びかけている。

本殿へ続く参道には、約77の石段があり、崩落した玉垣は13段ほど上った踊り場に設けられていた。踊り場を挟んだ14段目以降の石段には側溝があるものの浅く、豪雨時に水があふれて勢いよく流れたことで地盤が緩み、玉垣がなぎ倒された。

2014年の豪雨災害により崩落した参道玉垣

崩落後は転落防止の防護柵を設置していたが、子どもが誤って乗り越える危険性や、近年の突発的な豪雨による再崩落への懸念から復旧に踏み切った。来年3月末の竣工を予定している。

氏子の12地区のうち、天王、長見、新才の3地区の宮総代や自治会長らが主体となる取り組み。長見地区の宮総代を務める足立政弘さん(78)と天王自治会長の伊賀晴夫さん(74)は「舟城神社は、この地域で生まれ育った私たちにとって心のよりどころ。崩落したままの状態を見続けるわけにはいかなかった」とし、「皆さんからご支援を頂きたい」と呼びかけていた。

村山宮司(91)は「参道は神社へお参りするための基礎となる所。修復し、この神社の階段のように長く守られ、継承されることを切に願っている」と話していた。

支援は5000円から受け付けている。リターン(特典)は、同神社の御守り、舟城絵葉書のほか、飾れる御朱印など。詳細はレディフォーのサイトで。11月28日まで。

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