兵庫県丹波篠山市の澤田公民館で、人身御供をささげる大蛇退治伝説に基づいた澤田八幡神社の祭礼「鱧切祭」が営まれた。大蛇に見立てた大きなハモを包丁で一刀両断する所作を見せると、集まった氏子たちから歓声が上がった。丹波篠山市の三大奇祭の一つ。
前沢田集落の「出番」と呼ばれる役付きの氏子19人が車座になって、「もっそう」や「豆の蓼ぬた」などが盛られた膳に舌鼓を打ちながら歓談しているところに大蛇が近づいて来た雰囲気を、隣の調理場に立てかけた戸を手で激しくたたいて演出。1・7㍍、7・6㌔あるハモが、鱧切り役の和田翼さん(40)の前に差し出されると、包丁で体をなぞったり、酒を飲ませたりするしぐさをしばらく行った後、一気に持ち上げて、くるりと半転させ一刀両断にする様子を表現した。
祭りを終えた和田さんは、「上手にハモを回せるのかというプレッシャーで昨晩は眠れなかった」と苦笑いし、「今はやり切ったという達成感でいっぱい。村に脈々と受け継がれてきたこの祭りの重みも感じることができた」と話した。
隣の北沢田集落にも同様の祭礼がある。共に市指定無形民俗文化財。


























