香りの良さと歯ごたえで全国的に名高い「丹波マツタケ」の産地の一つ、兵庫県丹波篠山市郡家の「丹波篠山市場」で16日早朝、同市産のマツタケが初競りにかかった。出荷されたのは3本(計70グラム)で、地元の老舗料理旅館「丹波篠山 近又」が83万円で落札。”秋の味覚の王者”にふさわしい超高値となった。
長雨などの影響か、昨年よりも1週間から10日早い。いずれもつぼみの状態で、大きいもので長さ11センチ、傘の直径が6センチ。ご祝儀相場に加え、年々希少となっていることから価格が高騰し、キロ単価にすると1185万円の過去最高額となった。
土瓶蒸しにして提供するという同店支配人の松尾健吾さん(38)は、「価格の上りように震えました」と苦笑し、「コロナ禍で宿も厳しいが、丹波篠山市を盛り上げることが当店の使命。10月は丹波黒枝豆のシーズンでもあるので、緊急事態宣言が明けたらぜひ来てください」と話していた。
マツタケは昨年、国際自然保護連合(IUCN)が公表した絶滅の恐れがある野生生物を分類する「レッドリスト」で「絶滅危惧種」に分類されており、市内でも収量は減少の一途をたどっている。