兵庫県丹波市山南町応地で9日、五穀豊穣や無病息災を祈願する市指定無形民俗文化財の伝統行事「蛇ない」が行われた。わらで編んだ約10メートルの大蛇が、同集落34戸を練り歩き、1年の無事を祈った。
朝から大歳神社の薬師堂に集まり、わらをたたいて柔らかくし、頭部分を編んだ後、梁にかけ、三つ編みの要領で直径十数センチの太い「胴体」を編んでいった。保存会の男性が3人がかりで、「せーの」の掛け声に合わせ、柔道の背負い投げのように体を一回転させ、よりをかけた。
わらは、近隣の農家に譲ってもらい、倉庫で保管している。1匹の大蛇をなうのに、軽トラック1台半ほどのわらを使う。
初めて大蛇をなった会社員、高木泰裕さん(44)は、「慣れない作業で大変。汗をかいた」と笑っていた。
保存会会長で同自治会長の林勝博さん(63)は「無病息災が第一。新型コロナが落ち着いてほしい」と話していた。