きょう19日は「敬老の日」―。和栗の最高級品、丹波栗の収穫が兵庫県丹波市内で始まり、94歳の生産者、由良とみ子さん(同市)も、近くの栗園からイガを自宅に運んでむき、JAへの出荷に向けた選別作業を始めた。数年前に新植するなど、意欲は満々。孫、ひ孫からの「100歳まで生きて」の声を励みに、「とみ子ばあちゃん」は元気に暮らしている。
栽培歴は30年ほど。幼木を含め約40本を育てている。栽培を始めて間もなく、夫の春夫さんが亡くなり、90歳を過ぎる頃まで、剪定、施肥、防除、収穫を1人で続けてきた。ここ2、3年は長男の力を借りているが、今もメインは由良さん。
春夫さんは生前、プラスチック成形の工場を営んでいたため、由良さんが田畑を世話してきた。米、ナス、スイートコーンと、「(周りの)人が作るもんは、皆作ってきた」と、農業には自信がある。
病気一つしない丈夫な体で、薬も一切飲んでいない。1人暮らしで身の回りの事をするので忙しく、「手間が掛かる栗の料理はできない。栗は出荷するために育てている」ときっぱり。
そんな由良さんはシーズン最終盤に、孫、ひ孫を栗拾いに招待する。「すごく喜んでくれる。今から来るのが楽しみ」と頬を緩める。
今年は、ここまで落果が少ないと喜び「大きい栗が取れて、良い値段で買ってもらえたらいいけど」と期待を語った。焦がれて毎日栗園に足を運ぶ最盛期は、もうすぐだ。