高卒で自衛隊の幹部を目指す 「一般曹候補学生」 コースに、 柏原募集事務所管内で初めて合格した。 同コースの女子は全国で35人枠という難関で、 倍率は約25倍。 同募集事務所管内では今年、 これまでで最も多い四人が女子自衛官に合格。 不況の影響で女子大生の受験者が増えているなか、 地元高校生らの健闘が目立った。
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「国際貢献をしたいという気持ちが強く、 難民キャンプや被災地に行って、 世界平和のために協力したいと思っていました。 でも最終的に自衛隊を受験することに決めたのは3年生になってから。 初めは父と同じ警察官をめざしていたのですが、 身長が150・5センチしかなく、 規定を満たさなかったのであきらめました。 自衛隊は公務員なので男女平等だし、 普通の仕事よりも毎日に変化がありそうで魅力的でした」
「入って1週間後には銃演習があるそうなのですが、 銃を持つのは少し怖い。 地球上から武器をなくすことはできないのだろうかと考えましたが、 今起こっている戦争を止めに行く時、 丸腰で行ったら死んでしまう。 今は必要な場合があるのかもしれません。 でも、 戦争にだけはなってほしくないと思っています」
「高校時代はテニス部でキャプテンをしていました。 テニスの存在は大きく、 厳しい経験があったからこそ、 自衛隊でもがんばれるという気持ちがあります。 訓練が厳しいと聞いたので、 今は家で毎日筋トレをしています。 腹筋、 背筋、 腕立て伏せを30、 40、 50回ずつ3セット。 部活に参加したり、 ランニングもしています」
「25日に入隊し、 東京の朝霞駐屯地にある婦人自衛官教育隊で研修が始まります。 私は負けず嫌いな性格。 できれば入った中で一番になりたい」
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今井さんは 「遊びたいとも思うけど、 景気も悪いし、 進学してもいい就職先があるかどうか分からない」 という“しっかり者”。 夢と現実の両方を見据えるバランス感覚の持ち主に思えた。 会話の端々にテニスで鍛えた 「根性」 が顔をのぞかせる。 勝ち気な性格と努力でさまざまな試練を乗り越えていってほしい。 山南町谷川。 柏原高校卒。 17歳。 (J)