自分らしさを求めて
姫路工大環境人間学部助教授 勝木洋子さん (姫路市在住)
(かつき・ようこ) 1951年 (昭和26年) 篠山市二階町生まれ。 篠山鳳鳴高校、 日本体育大体育学部卒。 神戸大大学院修士程修了。 県立子どもの館運営委員、 県中央こどもセンターアドバイザー、 ひめじ女性会議21委員長などをつとめている。
子どもの健康と環境・児童発達論・子育て支援が専門。 最近では、 文部科学省の委託を受けて、 県立嬉野台生涯教育センターと 「生涯にわたる男女共同参画推進事業」 の調査研究に3年間かかわった。
「社会的、 文化的につくられた性の差がジェンダーです。 幼いときから男、 女はこうあるべきであると教えられると大人になっても意識を変えるのは難しい。 家庭のなかでの男女共同参画が大切ですね」 と話す。
「ある市の中学生に調査したところ、 『先生は女よりも男をよくしかる』 『家庭ではお母さんばかりがしんどい目をしている』 と思っていることがわかりました」 という。 「中学生が不合理に感じている、 『女性は男性を支え、 しんぼうするのがあたりまえ』 という考え方は日本社会に根強い。 一方男性は職場で責任が重いうえに、 家庭でも大黒柱として生きなくてはいけないという現実があります。 国内で年間3万2000人の自殺者があり、 その75%が働き盛りの中年男性であるという現実がそれを如実に物語っています」
「今、 自分らしく生きていくことができること、 そして、 自分が大好きという子どもを育てることが大切。 自分が好きになれば、 人も大事にできる」 と確信する。
昨年、 姫路市で行政とともに 「ひめじ女性会議21」 を立ち上げた。 女性が学習し、 潜在的な力を発揮できるよう共同 (協働) 参画の推進をめざし、 女性の視点で市の施策に提言している。 ふるさとの丹波に来る機会も増えた。 最近、 県の地域ビジョン委員会の講師として参加者自身のジェンダー意識を探るワークショップを実施した。
「丹波に来ると年々道路が整備され、 道に迷います」 と苦笑する一方で、 「丹波の山を見ると胸がキューンとなります。 朝霧のかかる山の景色が好き」 と語り、 「小さいころは祖父母のいた春日町の桑畑や市島町の川遊びも思い出。 篠山の家の前の春日神社は遊び場でした」 と懐かしむ。
(臼井 学)