元韓国ロッテ常務 小山 禎彦 (こやま よしひこ) さん

2004.02.01
たんばのひと

新事業に企画力発揮
元韓国ロッテ常務 小山 禎彦 (こやま よしひこ) さん (埼玉県越谷市在住)
 
1935年 (昭和10年) 篠山市東岡屋生まれ。 篠山高 (篠山鳳鳴高) 兵庫農科大 (神戸大農学部) 卒。 ロッテ商品企画部商品企画室長、 韓国ロッテ常務理事などを歴任し、 2002年退職。 韓国友好連絡会の設立準備を進めている。
 
 冬の商品として、 「雪見だいふく」 を開発。 韓国ではホテルを手がけるなどアイデアと企画力を発揮した。
  「食品会社で、 冬にマッチした商品開発を考えるなかで、 私たち開発グループのアイデアが雪見だいふくでした。 大福もちをヒントにしました。 洋食と和食のミスマッチで、 うまくいくかなと最初は不安でした」 と話す。 ところが、 売り出してみると爆発的な人気。 「若い女性をターゲットにしていましたが、 『会社から電車で帰宅するとき、 駅から自宅まで歩いて帰る途中に、 食べながら酔いを覚まして帰るのが楽しみ』 という中年男性の声も聞かれるなど意外な反響に驚きました」
 新商品を売り出す場合、 データが一番の基本となる。 「300人以上の高校生に依頼して、 試食してもらいました。 対象に合った味づくりが商品開発では重要な要素です」
 この経験が、 同系列の韓国の会社に出向したときに手がけたホテルやデパート建設の仕事に役立った。 釜山に八百室を備えたホテル建設を企画したおり、 世界各国のホテルを見学し、 構想を練った。 「アイスクリームの開発でもホテルでも、 要は品質の高さにつきると思います。 美味しさは楽しさにつながり、 ホテルの快適さとも一致するのでは。 視察に行けば、 ただ見るだけでなく、 計画を常に頭に描いて考えることが大事」 と強調する。
 14年間、 韓国で暮らし、 多くの友人ができた。 「何でも率直に思ったことを口に出し、 裏表のない国民性にひかれました。 これからも、 この経験をいかし、 韓国と日本の友好に役立ちたい。 旅行する人にもアドバイスできれば」 と語る。 「帰国後一年たったとき、 高校の同級会に出席して、 友だちと再会し、 やっと帰国したという実感がわいてきました。 ふるさとの温かさをしみじみと感じました」

(臼井 学)

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