故郷の風なつかしく
歯 科 医 酒井 正記 (さかい まさき) さん (吹田市在住)
1955年 (昭和30年) 篠山市岩崎生まれ。 篠山鳳鳴高校、 上智大学理工学部化学科卒。 1年間、 製薬会社の研究室に勤務の後、 日本大学松戸歯学部に入学、 85年に卒業。 妻も吹田市で開業。
大学の理工学部を卒業後、 サラリーマン生活を経て、 歯学部に再入学した。 現在は酒井歯科医院の院長。 「会社員時代に比べ、 結果がすぐ出るのが魅力。 たとえば痛い歯を治すと患者さんに喜んでもらえます。 うれしいですね」 と話している。
大阪府柏原市の歯科医院に勤務したあと1987年に箕面市で開業した。 「阪急沿線の落ち着いた雰囲気が気に入りました。 故郷の篠山にも近い距離ですし、 早いもので、 開院18年目になりました」。
「特に力を入れているのは、 歯周病の予防。 歯科衛生士4人を置いて、 できる限り時間をかけて、 予防や治療にあたるようにしています」。 さらに、 趣味の機械いじりの影響もあるのか診察の機械にこだわっている。 「旅行を兼ねてアメリカ、 ヨーロッパ、 アジアの国々を訪れ、 新しい機械に接する機会を持っています。 最新の機械を導入するにしても、 患者さんの身になって、 苦痛をやわらげるという観点から選びたい」 と話した。
「国際的な見本市も見学しました。 世界最大の 『ケルンメッセ』 というドイツの歯科機械の見本市には、 機械メーカーの関係者が多く、 日本人の歯科医はほとんどいないようでした。 海外へは、 低料金で行けるコースを組み、 年に何回か出かけています。 おかげで、 海外旅行がもうひとつの趣味になりました」 と苦笑い。
いつも思うのは子供時代のこと。 「イタドリをとりに行く時期になったとか、 ヤマユリの咲くころになったなどと、 故郷の風を思い出します。 たまに、 帰省すると友人から 『早く帰ってこいよ』 といった優しい言葉をかけてもらえるのがうれしい」という。 「亡くなった母が、 私になって欲しいと思っていた職業につけて天国で喜んでいてくれるでしょう。 大学を出て、 再び入学を許し、 支援してくれた両親に感謝しています」
(臼井 学)