国際会議を支え20年
同時通訳者 戸倉 洋子 (とくら ようこ) さん (三田市在住)
1951年 (昭和26年) 丹波市氷上町小野生まれ。 柏原高校、 京都府立大短期大学部国語科卒。 伊丹空港勤務、 インターオオサカ通訳者養成学校講師などを歴任。
航空会社勤務や留学経験などを生かし、 同時通訳者として世界を飛び回る。
医療関係の国際会議の通訳が中心で、 舞台裏から会議を見つめる。 「専門用語が多く、 病名や手術法などの英訳や和訳を間違うと大変。 仕事の前に専門書を読んで勉強します。 おかげで、 医療の知識には詳しくなりました」。
20年近く前に京都国際会議場で開かれた歯科関係の国際会議でデビューしたが、 自分の入るブースが分からなくなり、 遅れて到着。 「幸い隣のブースにいた先輩通訳が仕事をしてくれていて、 助かりました」 と失敗談も笑いながら語れるようになった。 昨年京都で開かれたアルツハイマー学会や今年の1月に神戸で開催された国際防災会議でも通訳として参加した。
通訳のほかにもう一つの顔は、 関西テレビが主催する国際女子マラソンの海外からの招待選手の交渉役。 テレビ局のディレクターと一緒に海外に向かう。 「おかげで、 現在世界最速の女子ランナーであるイギリスのポーラ・ラドクリフやポルトガルのロザ・モタなど世界のトップランナーと知り合えました」。
多忙な身だが、 楽しみの時間も大切にする。 高校時代にコーラス部で歌っていたことを思い出し、 バンドのボーカルとしてジャズを中心に幅のある声を響かせる。 「仕事と違った緊張感があります」。 また、 「高校時代に落研を作りました」 というだけあり、 「しゃべれるのは、 英語と日本語に大阪弁」 とユーモアたっぷり。
「短大を出て、 全日空のグランドホステスとして空港に勤務しましたが、 26歳の時に英語を習いたいと単身カナダにわたりました。 両親は、 大反対で会社をやめたことを近所に言わなかったそうです」。 今は住んでいる三田市から、 両親の面倒を見るため、 毎週実家に帰る。 「田舎のやさしい雰囲気が好き。 新しいお店もできて、 面白そう」
(臼井 学)