見せる料理に一工夫
(ながい・きみこ)豊中市在住
1952年(昭和27年)丹波市柏原町生まれ。旧姓北川。柏原中、芦屋女子高、甲南女子大文学部国文科卒。「k-2キッチン」主宰。「ヒューマンアカデミー」フードコーディネーター養成コースの講師。
フードコーディネーターとして、 パッケージ写真、 撮影用の料理写真などのコーディネートを得意分野にし、 人材養成にも携わる。
ハム、 ラーメン、 カレーなどお店でよく目にする食品メーカーのパッケージやカタログの料理写真のコーディネートを数多く手がける。 「材料や器の調達、 盛り付けなど全部自分でやります。 いかにおいしく見せるか、 カメラマンによい写真を撮ってもらえるよう見栄えに一番気を配る」 という。 「一番困ったのは、 海苔 (のり) の撮影。 早くしないと湿るので焦る」 と苦笑する。
とにかく、 明るい。 前向きな性格で、 ポンポンと言葉が飛び出す。 「まず自分自身が楽しくすることがモットー」 という。 結婚後、 夫が教務部長をしていた調理師学校の卒業生が勤務するホテルを巡り、 食べ歩きをした。 この経験が、 今の仕事につくきっかけになった。 「食べることに興味があったのかもしれません。 子どものころ柏原の実家で味わった食経験が原点にあります。 その時は、 何も感じませんでしたが、 家を離れて暮らしてから、 思い出すことが多かった。 幅広く、 何でも食べることが大事ですね」。
最近、 丹波の鹿肉料理を売り出そうという試食会に料理を提案。 レシピから調理までを担当。 「少しでも故郷のお役に立てばと引き受けました。 臭味があるというイメージを払拭するため、 おいしく見せたり、 調理方法にも工夫をしました」 と言い、 「黒大豆、 小豆など丹波地域のおいしい食材と組み合わせれば、 面白い」 と鹿肉料理をPR。 試食会でも 「鹿肉と丹波ばら寿司」 (モモ肉) 「鹿肉とブルーベリーのパリパリ」 などユニークな名前が参加者の話題を集めた。
「五味、 五法、 五色という言葉があります。 料理の仕方や味わい方は人それぞれ。 自分の味をどのように作っていくか、 センスがいくらでも磨けるのが食の奥深さ」。 (臼井 学)