◆ボランティアら「夢のような1カ月半だった」
丹波市山南町上滝の恐竜化石発掘現場で22日、 1次発掘で見つかった化石を含む最後の岩が搬出された。 この日で1次調査は終了。 2次発掘は秋以降になるため、 現場は盗掘や川水による侵食を防ぐためにコンクリートなどで覆われる。 県立人と自然の博物館 (三田市) で、 今後運び出した岩から化石を取り出す 「クリーニング」 と呼ばれる作業を進める。
岩の搬出は20日から随時進められた。 22日午前10時に最後の岩 (長さ1・9?、 幅70?、 厚さ50?、 重さ1・2?) が、 クレーンでトラックに積み込まれ、 同博物館に向けて出発した。 関節状態の尾椎 (びつい) を含んだ部分。 強度を高めるため石こうを染み込ませた布 「プラスター・ジャケット」 で覆われており、 外観は真っ白。 作業員は岩が傷まないようトラックの荷台に土台を設けるなど、 慎重に作業を進めていた。
搬出後、 同博物館の三枝春生研究員は、 2次発掘以降の展開について、 「地層のかたちなどから、 次で全部掘りだせるほど簡単ではない。 発掘が複数の年次にまたがるのは確実だと思う」 との見方を示した。 搬出作業は、 調査に携わった住民のボランティアも見守った。 篠山市から参加した松本洋一さん (44) は、 「夢のような1カ月半だった」 と振り返った。
<写真>化石を含む岩を搬出する作業員ら=山南町上滝で