山南町上滝の篠山層群から見つかった恐竜化石のクリーニング作業を行う作業室 「丹波竜化石工房」 が山南住民センター (同町谷川) に整備され、 1日、 開所式典が開かれた。 関係者ら50人が参加し、 今後の作業の進展に胸を膨らませた。 水曜から日曜の午前10時から午後3時まで見学できる。
工房は、 作業場が約70平方メートル、 展示場が約30平方メートル。 まず、 第1次発掘で恐竜化石を含む地層ごと切りとった岩盤 (約1トン) のクリーニング作業を行う。
地層から取り出した化石は、 顕微鏡をのぞきながら、 エアーチゼルと呼ばれる小型の針を使って、 余分な石灰質などを取り除く。 市と県立人と自然の博物館合わせて3人体制で作業にあたる。
今回作業をする岩盤は、 10数本の血道弓や尾椎が見えており、 これらをシリコン樹脂で固めて、 産出状態のレプリカを作ることにしている。 型どりなどに、 約1カ月はかかる見通しという。
今後、 クリーニング作業を手伝うボランティアも育成する。 同博物館の三枝春生研究員は、「大勢が関われば全容が早く見える。 専門家だけでなく、 多くの市民が参加することで、 対化石だけではなく色んな活動の拠点になれば」 と期待を込めた。