丹波市山南町上滝の恐竜化石発掘現場近くにある旧水力発電所 「旧上久下村営上滝発電所」 が、 国登録有形文化財となることが21日、 決まった。 同日、 国の文化審議会文化財分科会が、 同発電所を文化財登録するよう文部科学大臣に答申を行った。 6―7月ごろに手続きが終わり、 正式に文化財となる。 市内の国登録有形文化財は3例目。
同文化財になると、 保存・活用のための修理に必要な設計・監理費の半分を、 国が補助するなどのメリットがある。
市がこのほど策定した 「市恐竜を活かしたまちづくり計画」 に同発電所の保存が盛り込まれており、 保存のための環境を整えるため、 昨年11月、 市が登録申請していた。 今後、 新年度に基本設計・実施設計を行い、 工事着手は再来年度以降になる。
市恐竜を活かしたまちづくり課は、 「地元がどう活用したいか意向をくみながら、 改修計画の策定に取り組みたい」 と話している。
同発電所は、 1922年 (大正11) に当時の上久下村が建設。 1943年 (昭和18) に現在の関西電力に売却されるまで、 村が運営した。 赤レンガ造りの2階建てで、 2階には欠円アーチ形の窓がある。 屋根が一部抜け落ちるなど老朽化が激しく、 地元からは保存を求める声が上がっていた。