上久下小学校 (山南町青田、 古西徳雄校長) の5年生17人が16日、 授業の一環として行った化石発掘体験中に、 恐竜の可能性が高い化石と小動物の肋骨とみられる化石を発見した。 授業中の出来事に、 教諭も児童たちも驚きと喜びを隠せない様子。 古西校長は、 「丹波竜が発見された地元の子どもたちが見つけたことが意義深い。 教育現場としても、 大変喜んでいる。 これからさらに地元の自然に関心が向くのでは」 と話している。
恐竜とみられる化石は、 長さ約3センチで、 部位は不明。 小動物とみられる化石は長さ約6ミリ。
児童たちは、 理科担当の梅垣章子教諭とともに、 課外授業の一環として、 上久下地域づくりセンター (同町下滝) を訪問。 丹波竜化石発見者の一人、 村上茂さんと一緒に初めて発掘体験をした。
同センターに保管されている丹波竜化石第2次発掘調査で出た残土や岩石に化石が含まれていないか調べていたところ、 藤本章良君が割った最初の岩石から、 恐竜とみられる化石を発見。 化石を見た村上さんが 「これは恐竜のものかもしれない」 と話すと、 児童たちが集まり、 大きな歓声が上がった。 その後、 村岡美砂緒さんが割った岩石の中からも、 小動物のものとみられる化石が発見された。
2006年の丹波竜化石発見からこれまで、 いく度となく市内外の児童たちが同センターを訪れ、 発掘体験を行ってきたが、 植物化石などは見つかったものの、 恐竜化石は発見されていなかった。
同校では、 丹波竜や桧皮葺、 名刹など、 地域の自然や文化に関心を向ける授業を展開。 丹波竜関係では、 発掘体験のほか、 図工で丹波竜の絵を描いたり、 桧皮葺の恐竜人形を作るなど、 「恐竜と子どもたちをつなぐ」 教育を行ってきた。
村上さんは、 「地元の子どもたちが、 化石を見つけることができてよかった」と笑顔。担任の片山貴史教諭は、 「発見できたのは運が良かったからだと思うが、 普段から丹波竜に関心が高かった。 とても価値のある体験をしたと思う」 と話している。