教育への思い、 次代へ―。 県の重要文化財に指定された 「旧氷上高等小学校舎」 (柏原町柏原) の創立メンバーや経緯などが書かれた棟札を保管していた柏原高校の教諭や、 市教育委員会などが、 棟札に漢文調で書かれた文章の書き下し文を作成。 凶作などで丹波地域全体が困窮する中、 教育こそが、 地域を発展させる要素となりうると信じた設立者らの、 熱い思いが浮かび上がった。 重文の指定に伴い、 棟札は26日、 同校舎を所有する市に移管される。
棟札は、 高さ約1・5メートル、 幅約50センチ。 片面には創立の経緯、 裏面には 「丹波開発の父」 と呼ばれる田艇吉ら創立メンバーの一覧が書かれている。
経緯の文面では、 資産も人員も乏しい中、 近代初等教育をいち早く取り入れるために郡町村組合が奔走。 義援金を得て校舎が竣工し、 「嗚呼 (ああ)、 学校は教育の土壌なり (中略) 国家の根底ここに萌ゆ」 などと、 教育が丹波地域の繁栄に結び付くと記されている。
同校舎は、 旧氷上郡各町村組合が1885 (明治18) 年に建設。 その後、 郡立柏原病院、 柏原高等女学校、 柏原高校同窓会館、 郡教育委員会と用途を変遷しつつ、 一昨年までは 「大手会館」 として、 市民に使用されてきた。