従業員の雇用維持を支援する国の 「中小企業緊急雇用安定助成金」 を利用する企業が、 丹波地域でも急増している。 「経営は厳しい。 でも、 首を切りたくない」 と、 従業員の雇用を守る企業の駆け込み寺と言える制度で、 今年1月の制度運用以来、 5月までに計90社以上が制度を活用。 主に製造業で、 昨年から続く不況が、 いまだ丹波地域にも影を落としていることがうかがい知れる。
同制度は、 不況などの要因で、 事業縮小を余儀なくされた事業主が、 従業員に対して休業や教育訓練などの措置を取った際に、 賃金を助成するもの。 休業の場合、 最大で休業手当の5分の4を助成する。 受給要件の中には、 「ここ3カ月の売上高か生産量がそれ以前の3カ月、 または前年同期比で減少」 がある。
ハローワークによると、 丹波市内ではこれまでに約60社、 篠山市内では約30社が制度を活用している。 制度が始まった当初は数件だったが、 制度の周知とともに、 3月ごろから利用が急増。 2月末にハローワーク担当部局が開いた説明会には、 多くの企業が詰めかけた。