青垣で竜巻発生か 大木倒れる

2009.07.30
ニュース

 26日午前9時30―40分ごろ、 青垣町佐治小校区を雷を伴った猛烈な雨風が襲い、 木が折れたり、 カーポートやネットハウスが壊れるなどの被害が出た。 幅200メートル、 長さ500メートルほどのエリアに被害は集中しており、 「竜巻が発生したのではないか」 との見方が広がっている。
 おもに、 佐治川の右岸側、 旧青垣町役場近くから青垣中学校付近にかけての被害が目立った。  
 佐治のえべっさんが開かれる八柱神社 (同町中町) では、 幹の直径が50センチほどある参道のスギの大木1本が倒れた。 みこしが巡行する参道が崩壊したため、 氏子たちは、 「秋祭りをどうしたものか」 と頭を痛めている。 このほか、 県営佐治団地前のサクラの古木など直径20―30センチほどの木も、 何本か折れているのが確認された。
 青垣中近くの小倉営農互助クラブの桃園では、 鳥と虫よけのためにはっていたネットハウスのパイプがぺしゃんこになり、 約80本の木に実っていた収穫間近の桃が半分以上落果する被害。 同クラブ会員の足立正二さんは 「残っている方が少ない」 と嘆き、 「8月9、 10日に収穫イベントを予定しているが、 十分にものがあるかどうか。 こんな山あいで竜巻が起きるのか」 と肩を落とした。
 また、 芦田猛さん宅 (同町旭町) では、 風にあおられてめくれたアルミ合金のカーポートが、 ブロック塀を乗り越えて隣の家まで侵入した。 芦田さんは、 「テレビでは竜巻は見るけれど、 まさか自分の所がこんなことになるなんて」 と驚いていた。 芦田さんの近所に住む主婦によると、 台風以上の暴風が10分程度吹いたという。 しかし、 青垣地域内には風速計がなく、 風量などは計測ができない。
 気象に詳しい荻野正裕さん (氷上町香良) によると、 「全国で起こっているように、 局地的に竜巻が起こった可能性がある」 と指摘する。 「丹波市内では気象観測がほとんどできておらず、 集中豪雨や竜巻など、 災害が起こっても、 数値がつかめない。 無人観測所を増やすべきだ。 今回の件も、 神戸海洋気象台などに報告しない限り、 事態の把握すら行われない」 と警鐘を鳴らしている。

写真=風で倒れ、 道路をふさいだ八柱神社のスギの大木=青垣町中町で

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