「マツタケがない」 不作の篠山産

2009.10.19
ニュース

 篠山市内で丹波マツタケが例年にない不作に見舞われている。 例年なら収穫がピークになる時期を過ぎても量が少なく、 長年マツタケ山に入っているベテランたちも 「生えるはずの場所に今年は生えていない」 と嘆いている。
 篠山魚市場 (郡家) には、 15日現在で昨年の1割ほどしか入荷がない。 しかも品質も悪く、 軸が細くて香りが少ない傾向があるという。
 JA多紀営農経済支店 (細工所) も、 例年の半分以下、 約30キロしか入荷されていない状況。
 食事処 「いわや」 (火打岩) のマツタケ仕入れ担当、 岩本和也さんは、 丹波マツタケの確保に奔走している。 「農協にも1日2回足を運ぶが、 ない」。 マツタケ料理を予約しているお客さんには事情を説明して断りの電話を入れている。
 マツタケ山に入って50年の前河好和さん (79) =泉=は、 「こんなに悪いのは過去50年で3回目。 10月に入ってからずっと品不足で、 1キロ15万円の高値で売っても在庫不足」 と話す。
 今年はマツタケの出始めが早かった。 9月下旬に目印となるモクセイが開花し、 マツタケも出た。 しかしその後、 量が増えるはずの10月に発生が止まった状態が続いている。
 山の状態に詳しい男性は 「記憶にないぐらい今年は不作。 気温が高すぎるのが一因。 マツタケ山といえばジャンパーを着て入るぐらいだったのに、 ぬく過ぎる」 と話す。
 ただ、 数人が 「20日過ぎに出るかも」 と口にしている。 モクセイの花がもう一度咲き始めたと言い、 マツタケの適温になったのではと期待をのぞかせている。

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