丹波地域の名所が映画のロケ地に

2009.10.05
ニュース

 丹波地域の名所が、映画のロケ地として活用された。1本は「人間失格」、もう一本は「火天の城」。

 昭和を代表する文豪、 太宰治の代表作で、 来年初春に映画版として全国ロードショーされる 「人間失格」 (角川映画配給) の撮影地の一つに、 丹波市と篠山市を結ぶ鐘ヶ坂峠の 「明治のトンネル」 が使用されている。 撮影には主人公、 大庭葉蔵を演じる生田斗真さん (24) =ジャニーズ事務所所属=や、 詩人中原中也役を務めた森田剛さん (30) =同=が来丹。 レンガ工法としては日本最古のトンネル内で、 名文学の映画化に臨んだ。
 資産家の息子葉蔵が、 自身の存在意義を求めながら、 酒や女、 薬物におぼれ破滅に向かっていく様を描いたもの。 原作は1948年に雑誌 「展望」 に掲載されたが、 掲載直前に太宰が自殺したため、 「遺書」 のような作品とされる。 今年、 太宰の生誕100年を迎えることから、 角川文庫が記念作品として制作した。

 全国ロードショー中の映画 「火天の城」 で、 篠山城大書院がロケ地の一つとして登場している。 織田信長の命で、 空前絶後の巨大建築 「安土城」 築城に挑んだ宮大工と、 無名の人々の壮大な人間ドラマを描いた映画。 信長を椎名桔平、 天才宮大工の岡部又右衛門を西田敏行、 その妻を大竹しのぶが演じている。
 昨年11月の大書院ロケでは、 岐阜にあった信長の館に見立てて撮影した。 篠山城跡二の丸庭園に、 赤装束の兵士たちがずらりと並ぶ壮大な絵を俯瞰で見せ、 信長という男のスケールを演出したという。 西田さん、 大竹さんのほか、 寺島進さん、 山本太郎さんらも参加した。
 同映画のロケは、 滋賀県をメーンに淡路島や京都、 大阪府内など関西を中心に行われた。
 原作は、 2004年に第11回松本清張賞を受賞した山本兼一著 「火天の城」 (文藝春秋刊)。

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