政府の行政刷新会議が行っていた来年度予算の 「事業仕分け」 で、 病院で処方されている医療用漢方薬を保険適用の対象外とする方針が打ち出されたことを受け、 漢方の里として知られる山南地域に波紋が広がっている。 仮に保険適用外となれば、 漢方薬の値段が高騰し、 需要が激減することが予想され、 原料となる薬草の消費も鈍る可能性がある。 生産農家らは、 「まったくもって 『寝耳に水』 の状態。 もし決定されれば大変なこと」 と困惑を隠せないでいる。 (森田靖久)
事業仕分けでは、 「医療保険の対象として、 湿布薬やうがい薬、 漢方薬などを含めるべきか」 との内容で議論が行われた結果、 「漢方薬は薬局でも市販されており、 医師が処方する必要性が乏しい」 として、 病院で処方されている各種漢方薬について、 保険から除外するという案を打ち出した。
決定した場合、 来年度から患者の自己負担は現在の3割から全額負担となり、 消費量が激減する可能性が高い。 この方針には、 医師や患者、 製薬会社などから異論の声が上がり、 全国的な反対運動が展開されている。