丹波産の「黄金のウェア」 オリンピック博物館に収蔵

2010.03.15
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 ミズノインダストリー氷上 (氷上町横田、 阿波元也工場長) が製造した、 バンクーバーオリンピック・スピードスケート日本代表のレース用ワンピースが、 スイス、 ローザンヌのオリンピック博物館に収蔵されることになった。 惜しくも金には届かなかったが、 銀メダル2つ、 銅メダル1つをもたらした黄金のウェアが永久保存される。
 国際オリンピック委員会 (IOC) の博物館で、 レマン湖畔にある。 1993年に完成した。 夏・冬の近代オリンピックに関連する膨大なグッズが収蔵されている。 五輪閉会後にIOCから日本オリンピック委員会 (JOC) に提供依頼があり、 ミズノが快諾した。
 同ワンピースは、 ミズノの本社の開発部と同工場が共同作業で仕上げたもの。 空気抵抗を減らす風洞実験などは本社が、 同工場は、 デザイン、 素材の選定、 縫製、 選手の体に合わせた採寸などを担った。
 同工場では、 過去に金メダリスト・清水宏保選手のウェアなども手がけたが、 博物館入りの打診はなく、 黒を基調に、 金メダルをイメージしたデザインがIOC委員の目に留まったと見ている。
 同ウェアをデザインしたミズノ社員の富田桂一さんは、 「40年、 競技ウェアに携わっているが、 初めてのことで非常に光栄。 メダル獲得という結果も出て、 技術屋として貢献できた」 と喜びを語る。 富田さんと共に現地入りし、 銀メダルを獲得した長島圭一郎選手、 女子追い抜き日本チームのウェアをミシンで調整した同工場の穴瀬紘恵さんは 「感動的」 と話した。

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