「お苗菊」継承に一筋の光

2010.11.06
ニュース

 篠山に伝わる菊の品種 「お苗菊」 の保存活動に乗り出した 「篠山市菊花同好会」 (渡辺昇会長) が開いた講座の受講生らが、 自宅で苗を育て、 今秋、 初めて大輪を咲かせた。 門外不出とされ、 江戸時代から脈々と受け継がれながら、 近年、 栽培者の減少や高齢化などで、 継承が危惧されてきた菊。 受講生らの花が開いたことで、 行く末に一筋の光が見えてきた。
 10日まで大手前駐車場で開催中の 「第9回篠山市菊花展」。 会場の一角に咲き誇るお苗菊は、 今年6月に同好会が初めて開催した 「愛育講座」 に参加した受講生の作品で、 栽培に取り組んでいる会員や地域の小学校以外からの出展は今回が初めて。 栽培歴数十年の同好会メンバーらの菊に囲まれながらも、 堂々とした花を咲かせている。
 お苗菊は、 旧篠山藩主の青山忠良が幕府から拝領し、 家臣に分け与えたとされる純日本種の中菊。 一度満開になった花が、 花弁の裏を見せて巻き上がる特徴を持ち、 篠山の愛育家らが100年以上受け継いできた。

写真 同好会が開いた講座の受講生が育てたお苗菊=篠山市北新町で

関連記事