丹波市が春日町野上野に建設を予定している (仮称) 市クリーンセンター整備・運営事業の入札が不調に終わり、 事業がストップしている問題で、 市は8日に開かれた市議会の一般廃棄物処理施設建設に係る調査特別委員会 (足立修委員長、 23人) で、 同施設の処理方式に採用する予定だった炭化方式を断念し、 ストーカ式焼却方式を基本に検討するとの方針を明らかにした。 また、 特別委後の記者会見で、 当初予定より2年遅れの2013年4月としていた稼働開始が、 少なくとも今回の入札に要した半年以上はさらに遅れることを認めた。
唯一の入札参加資格者が、 入札を辞退したことを受け、 市は、 ▽新たな事業者の参加が見込まれない▽辞退した事業者との随意契約を結ぶのは、 官製談合の疑いが出るため難しい―などの理由から炭化方式を断念。 しかし、 「循環型社会の形成に寄与する施設」 との整備方針に変わりはなく、 ごみを高温で燃やすことによって発生する熱をどのように利用するかは業者提案とする。
技術アドバイスを受けている日本環境衛生センターが09年1月に出した 「炭化処理方式調査報告書」 などを参考に、 他の処理方式との比較検討をした結果、 実績が多く、 安定性に優れているストーカ焼却方式を選んだ。
施設規模は、 炭化施設で計画していた47トンで、 24時間稼働を想定。 発生した灰は、 大阪湾広域臨海環境整備センター (フェニックス) に運ぶなど、 埋め立てる。 熱利用の方法は規模にもよるが、 農業用ハウスや温泉、 発電などに利用する事例があるという。
辻重五郎市長は特別委で、 「市の考え方を提案し、 議会、 地元自治会、 市民の意見をうかがったうえで最終方針として決定し、 事務事業を再スタートさせたい。 炭化方式を進めることに理解と支援をいただいたみなさんに心からおわびしたい」 と陳謝した。
【ストーカ方式】焼却炉内にある階段状の火格子 (ストーカ) の上にごみを投入し、 燃えやすいものから段階的に燃焼させる方式。 丹波市内の既存3施設 (氷上、 春日、 市島)、 篠山市清掃センターはいずれもストーカ方式。