「市名は現状維持を」 篠山市議会

2011.03.10
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 市名を現在の 「篠山市」 から 「丹波篠山市」 に変更する 「市名改称問題」 に対して、 篠山市議会の会派 「新青藍会」 (会長=足立義則議員) が3月4日、 「第2次総合計画の策定で問題は決着している」 として、 酒井隆明市長に 「現状維持」 が望ましいとする申し入れ文書を提出した。 計画策定後も市内部で検討プロジェクトが行われている中、 事実上 「ノー」 を突きつけた格好。 20人で構成する市議会にあって7人が所属する最大会派の意見とあって、 申し入れが問題に一石を投じそうだ。

 同会派は申し入れで、 「市名は合併時の基本項目の一つ。 市と住民のアイデンティティの根幹をなすもの」 とし、 2011年度から20年度までの市の基本方針を定めた 「第2次総合計画」 の中でも市名問題を取り上げていないことで、 少なくとも今後10年間の結論は出ていると提言。 酒井市長の2期目のテーマにも 「『篠山』 の時代をつくろう」 と示されていることもあり、 現状維持で計画を進めるべきとした。

 同問題は2004年に氷上郡が 「丹波市」、 翌年には京都府3町が 「京丹波町」 として発足したことなどを受け、 「丹波=篠山」 という図式が崩れたという意見が出始めたことが発端。

 09年には議会でも取り上げられ、 一部議員から市名改称にかかわる一般質問が行われた。 質問を受けた酒井市長は、 「 『丹波篠山』 の方がより知名度があり、 産業振興、 観光面で有利と考えているが、 変更には経費がかかる。 市の財政再建が解決した段階で検討したい」 と説明したが、 「議会も含めて市民の声が大きければ決断したい」 と理解も示していた。

 市は10年6月、 庁内に 「市名改称問題検討プロジェクト」 を設置。 賛成、 反対以前に、 変更した場合のメリットやデメリット、 改称にかかる各種費用などについて検討を重ねている。 酒井市長は、 「意見としては受け入れる」 とした。

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