東日本大震災の被災地からの避難者を支援する丹波市は3月23日、 市営住宅への受け入れ第1号となる避難者家族を迎え入れた。 同市の調べでは同日現在で、 9世帯28人が同市へ避難してきている。 市営住宅で受け入れた家族以外は、 親戚などの家に身を寄せている。 市は、 「今後、 避難者は増えるだろう」 と見ており、 金銭、 物的支援をはじめ、 阪神淡路大震災で教訓となった 「心のケア」 も課題となってくる。
市営住宅に入居したのは、 宮城県宮城郡の男性 (36) 含む家族4人と、 男性の妻の両親、 妹夫婦と子ども1人―の9人家族。 男性一家は以前、 仕事を通して仙台市で知り合った友人で、 現在は篠山市に住む会社員男性 (31) =丹波市出身=の勧めで避難を決断。 避難した男性は、 「友人はもちろん、 友人に車を手配してくれた車屋さん、 丹波市職員のみなさんなど、 多くの方の素早い対応に助けられた」 と感謝していた。
避難を勧めた篠山市の男性は、 「自分に何ができるだろうかと考えるなかで、 まずは1人の友人を助けようと思い立ったら体が動かずにいられなくなった。 動いている最中も本当にこれでよいのかと迷いもあったが、 今は勧めてよかったと思うし、 一緒に動いてくれた人たちに感謝でいっぱい」 と話している。
現在の避難者の内訳は、 ▽青垣=1世帯7人▽氷上=2世帯6人▽市島=6世帯15人―で、 うち子どもは計8人。 福島県いわき市、 同県相馬市、 宮城県仙台市、 栃木県小山市などからの避難。
市災害対策支援本部 (生活安全課内0795・82・1532) は、 避難者支援の連絡が入りしだい、 まずはその家族の人数などに見合った市営住宅を確保し、 関係部署や支所職員などが避難者の対応に当たる。