丹波の特産品で、 休耕田や転作にと栽培が推奨されているクリ―。 クリの木の下で、 ヤマブキを栽培し、 収益増加につなげようという試みが丹波市の青垣地域で行われている。 取り組んでいるのはまだ2人と少ないが、 「放っておけば草刈りの手間だけがかかるが、 空いた場所で換金作物が育てられることが広まれば」 と栽培の広がりを期待している。
クリ栽培農家の足立義郎さん (58) =丹波市青垣町森=と、 谷口弘さん (77) =同町文室。 谷口さんは、 10年以上のキャリアのある足立さんに勧められ、 昨年から13アールのほ場で栽培を始めた。
20アールで栽培している足立さんによると、 フキは200グラムで300円程度で取り引きされる。 上手に作れば、 反収20万円程度になるという。 長さをそろえ、 葉を取るのが手間だが、 約2時間で1万円分程度が整理できるという。 「土手で摘むのは、 量がしれている」 と足立さん。 クリの木陰がフキの生育に良く、 春に2度、 秋に1度収穫できることから、 台風被害に遭うクリ栽培のリスク分散にもつながるという。
栽培には、 フキノトウをほ場に振りかけるか、 引いてきた根を移植する。 根を移植すると、 翌年から収穫ができる。
「草を生やすよりはいいと思ってやっている。 一面をフキにすると踏んでしまうので、 少し間隔をあけている」 と谷口さん。 足立さんは、 「フキは人気が高い。 土手で摘むのは、 量がしれている。 丹波はいなかで、 山菜のイメージもあるから、 もっと栽培が広がればいいと思う。 軽作業なので、 定年帰農者にもぴったり」 と話した。