篠山城跡南堀のハス再生事業に取り組んでいる、 篠山市商工会青年部篠山支部と篠山小学校児童が、 南堀で採取した種から育てたハスが初めて花を咲かせた。 今後、 さらに栽培を続け、 南堀への移植時期を検討する。 2007年から同事業に取り組んでいる同支部の三角義宏副支部長 (38) は 「小学生たちの願いが届き、 ハス再生の希望の光が差した。 満開の光景を見せられるよう、 取り組んでいきたい」 と話している。
南堀のハスは毎年この時期に、 堀を覆い尽くすほどに咲き、 篠山の風物詩として親しまれてきたが、 06年から開花していない。 08年、 ヌートリアなどの獣害と考えられたことから、 支部メンバーが自宅で育てたハスの苗を、 南堀に設置した防護柵の中に沈めて育てたが失敗。 今年2月に市が南堀の水抜きをした際にハスのレンコンを植えたが、 植える時期が早かったのか、 芽が出なかった。
同校での取り組みは、 09年5月、 当時の2、 3年生がペットボトルに種を入れて育て、 10ほどに育った苗をバケツに植え替え、 育ててきた。 翌年の3月末に、 青年部が老朽化していた同校の観察池を改修し、 田んぼの土をいれ、 ハスをバケツから植え替えた。 その年、 芽は出たが花は咲かなかった。
長さ約5メートル、 幅約2メートル、 深さ約40センチの観察池には、 ところどころで大きな葉を広げ、 開花したものやつぼみのハスが見られる。 3年生の時に種から育てた、 原田楓希君 (5年) は 「花が咲かないと思っていたが、 すごくきれいに咲いてうれしい」、 戸倉伊武希君 (5年) は 「自分たちが育てたハスがこんなに成長してうれしい」 と話していた。