「無償譲渡」白紙に 北条団地宅地貸付 篠山市

2011.09.18
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 6月定例会の補正予算で提案されたが、 篠山市会委員会で継続審議となっている、 ハートピア北条団地 (篠山市細工所) の宅地貸し付けについて、 当初の 「20年間経てば無償譲渡する」 とした市の方針が困難になってきたことが分かった。 21日開催の委員会で、 同団地住民と市との協議内容が報告される。 酒井隆明市長は 「10月上旬には代替案を提示するが、 定住促進に生かすという方針は変わらず、 団地住民に説明していきたい」 と話している。 当初は、 今秋募集の予定で市広報紙にも掲載したが、 酒井市長は10月号にお詫び文を掲載する。

 酒井市長の2期目の目玉施策として掲げられた定住促進策。 19区画のうち、 売れ残っている13区画を40歳以下の世帯に年平均5万8000円で貸し付け、 20年後に無償譲渡するというもの。

 集中審議した政策総務常任委員会では、 「地質調査し、 地盤改良など環境を整えてから条例提案すべきだった」 「無償譲渡ではなく販売した方がいいのでは」 「晩婚化の中で年齢制限を緩めては」 などの意見が出て、 全委員が継続審査に賛成。 本会議でも条例を 「継続審査」 とした。

 1998年から平均約1382万円で販売したが、 2000年までに6区画が販売されただけ。 その後、 地価が下がったが、 98年に当時の町長名で地価の変動などに伴って、 価格を下げたら弁償するという趣旨の文書が一部の入居者に送られており、 価格を下げての販売ができず、 売れ残っていた。

 同事業案により市が無償譲渡すると、 平均約120万円で土地を売却することになる。 7月下旬、 同団地の住民が 「同事業が周辺の不動産価格を引き下げる」 などとして、 事業に反対する要望書を市と市会に提出した。 委員会でも、 現状のまま、 事業を進めると新住民と現在の住民とのコミュニティーに影響が出る、 という意見が出た。

 

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