県病院局は10月14日、 柏原と淡路の県立看護専門学校を2014年度末 (2015年3月末) で廃止すると発表した。 同局は、 県立病院の新卒採用看護師に占める両校出身者の割合が減り、 県立病院で勤務する看護師を育成しようと開設した趣旨になじまないことと、 近年、 県内で看護大学が増加したことを挙げ 「県立看護専門学校の役割はなくなった訳ではないが、 小さくなった」 とした。 看護師確保は、 今年度創設した奨学金を中心に行う方針。
来年1月入試で合格した2012年度の新入生が最後の入学生となり、 13年度新入生から募集を停止する。 12年度入学生が卒業する14年度末で廃止。
昨年度策定した県の第2次行革プランで、 看護専門学校事業は、 「県全体の需給の見通しや看護師養成・確保といった観点も考慮しつつ、 見直しを行う」 としていた。
同局によると、 県立病院新卒者に占める両看護学校の卒業生の割合が、 直近の5年で2割に満たなかった。
一方、 県内では、 看護大学や看護科を設ける大学が増加。 05年度と10年度を比べると、 4年生大学の定員が260人から920人と660人増、 専門学校の3年課程は1060人から860人に200人減った。 7年で460人、 35%増えた。
県立看護専門学校の運営には、 2・7億円前後が県の一般会計から充当されているが、 同局は 財政的観点からの行革ではなく、 設立趣旨と現状が違ってきていることを廃止の理由とした。
柏原看護は、 1971年開設。 1312人の卒業生を輩出してきた。 1学年40人で、 現在の在籍者数は108人。 丹波地域からは34人が在籍している。 同校によると、 06―10年度の新入生に占める丹波地域在住者は45人、 28%。 今年4月の新入生は38人中14人の37%と、 高い割合となっている。 高校新卒者だけでなく、 手に職を求め、 社会人も門戸を叩いている。
看護師の養成校は、 都市部の人気が高く、 立地条件から、 柏原看護の偏差値は比較的高くないことに加え、 費用が県立高校と同水準の入学金5650円、 授業料月額9900円と、 県内最安。 学生寮は、 月額1500円の光熱費のみで家賃はゼロと、 看護師志望者にとっても、 保護者にとっても重宝する存在だった。