北朝鮮による拉致被害者を支援している特定失踪者問題調査会 (荒木和博代表) は11月4日、 失踪者リストに含まれている丹波市市島町与戸の西安義行さん (当時21) が2000年前後に平壌周辺で撮影されたとされる写真を、 初めて公開した。 西安さんの家族は、 「似ていると思った」 と話している。 同調査会は 「写真の公開で新しい情報が出てくれば」 と期待している。
同調査会は11月4―5日、 失踪の真実に近づこうと豊岡―小浜市間の現地調査を行った。 11月4日には西安さんの最終失踪地点であるJR綾部駅前を調査し、 それと合わせて写真を公開した。
同調査会によると、 写真は6年ほど前に入手。 写真に写る男性はほぼ間違いなく日本人だという。 失踪以前の写真と比較した時、 髪の生え際や顔の骨格が似ており、 「本人である可能性は排除できない」 とする。 入手元は明らかにしなかった。
綾部駅前へは、 父の逸郎さん (74)、 母の久子さん (71)、 妹の圭子さん (43) が訪れた。 西安さんの家族は4月ごろ、 この写真を見たといい、 逸郎さんは 「昔のアルバムと見比べても似ていると思い、 生存しているのではないかと喜んだ」 と話し、 久子さんは 「写真があるとは思わなかったし、 似ていると思う。 元気で暮らしていればうれしい」 と話した。
西安さんは1987年3月、 友人と舞鶴へドライブに行った帰りにJR綾部駅で下車した後、 行方が分からなくなった。 その後、 無言電話や、 女児の歌声が聞こえる電話などがあったという。