篠山市東浜谷の農業、 森本光昭さん (67) が来年6月から、 地元の旅行会社のネットワークを利用して黒枝豆の貸農園を始める。 貸農園は一定の農地を非農家や都市住民に貸して、 種まきから収穫までを楽しんでもらうもの。 森本さんは 「黒枝豆を育てる楽しみを一人でも多くの人に体験してほしい」 と話している。
森本さんはこれまで、 口コミで黒枝豆狩りを受け入れていたが、 さらに交流を広めようと、 市内への黒枝豆ツアーを実施してきた、 みずほトラベル (北新町) に相談。 地域活性化を目指すツアーを企画してきた同社の思いと一致した。
また、 農家にとっては、 安定的な集客を図ることで、 貸農園の栽培支援に専念できるメリットがある。 旅行会社にとっては、 近年、 都市部の大手旅行会社が企画する、 安価で滞在期間が短い黒枝豆狩りツアーとの差別化を図ることができる利点がある。 同社は、 尼崎市でも店舗を開いており、 その顧客と、 関西を中心にした旅行会社に貸農園を紹介する。
来年度からの貸農園を前に今季、 森本さんと近所の竹内健治さんは、 同社と黒枝豆狩りツアーを実施した。 期間中、 都市部の客約80人を集めたほか、 尼崎市の同社近くで黒枝豆を販売したり、 森本さんから直送するなどした。 森本さんは 「お客さんは黒枝豆のほかにも、 栽培している野菜に関心を示したり、 つるし柿のカキを送ってほしいという要望もあり、 交流が広がった」 と喜んでいる。
来年度の開園に向けて、 森本さんはトイレと休憩所を整備する計画。 「軌道に乗ったら、 集落の生産組合で受け入れたい」 としている。 同社の山中英彦社長は 「料理教室や収穫祭などを企画したり、 各区画の黒豆の成長をメールで配信、 篠山口駅までの送迎をつけるなどより細かい対応で、 篠山で貸農園を楽しむお客さんを増やしたい」 と話している。
貸農園の内容は、 6月頃の種まきから始め、 支柱立て、 施肥、 草刈り、 黒枝豆の収穫、 黒豆の収穫など、 年に5、 6回を予定している。 篠山市内の非農家にも応募を呼びかけている。 1区画 (約25束収穫) 2万1000円。 申し込みは、 12月31日までに同社 (079・554・3488) か、 ホームページ (http://tambaguro.jp/) から。