大山小学校の4年生 (9人) がこのほど、 同校区内の雑木林で国蝶として知られる希少種 「オオムラサキ」 の越冬幼虫を発見した。 篠山市内での生息地としては5カ所目の発見 (丹波市では未確認)。 同学年は今年4月からオオムラサキの幼虫を飼育、 その観察記録を 「オオムラサキ新聞」 にまとめて発行してきたほか、 校外へ飛び出し、 生息地の調査などを行ってきた。 これまでの地道な取り組みが 「校区内での発見」 という形で実を結び、 児童たちはさっそく号外を発行。 喜びを書きつづっている。
「兵庫丹波オオムラサキの会」 によると、 篠山市内での生息確認地は、 福住地区と西紀地区の各1カ所、 岡野地区の2カ所の計4カ所。
先月、 児童たちは同会の会員や校区内外の住民らにアンケート調査を実施。 「オオムラサキを見たことはありますか」 との問いに、 同校区内の住民から 「1950年代に見た」 との回答が得られた。
この情報を頼りに、 児童たちは幼虫の食樹であるエノキを手がかりにして、 同校区一帯を意欲的に調査した。 越冬幼虫は、 体長1・5センチ程度と小さく、 枯れ葉に似た色をしており、 エノキの落ち葉の裏側に隠れて冬越しをするため、 児童たちは時間を見つけては、 ひたすら落ち葉をめくって探した。 そんな気の遠くなるような作業を続けていた11月30日、 湿り気のある雑木林に生えたエノキを調べていて、 4匹の幼虫を発見した。
児童たちは、 「数の少ない篠山のオオムラサキを守りたい」 との思いから、 4月に市内で採集した12匹のオオムラサキの幼虫を、 教室内で1人1匹ずつ飼育し、 生態や成長の過程を観察して記録。 そのデータをもとに、 国語や理科と関連させて、 これまでに合計5号の 「オオムラサキ新聞」 を発行。 保護者や地域住民に配布してきた。 また夏には、 飼育していた個体すべてが羽化に成功。 成虫を自生地へと帰した。