丹波市柏原町下小倉に丹波事業所を持つ化学品原料メーカー、 ガンツ化成 (横山貞彦社長) と、 建築・建装材メーカーで一部上場企業のアイカ工業 (本社・愛知県清須市) が4月1日付で合併する。 アイカ工業が存続会社となり、 ガンツ化成の丹波事業所は 「アイカ工業丹波事業所」 となる。
ガンツ化成の主要製品のひとつは、 化粧品や電子材料などに使われる有機微粒子。 20年前から開発にかかり、 2年後に販売を始めた。 化粧品ではファンデーションやマスカラなどに使われ、 使い心地がいいことから国内や欧米などの化粧品メーカーの評価が高い。
評価が上がるにつれ生産量が伸び、 ガンツ化成の年間売上も増加。 今年度は約70億円の売上高、 過去最高となる約7億5000万円の経常利益を見込んでいる。
アイカ工業は、 ガンツ化成の親会社で、 中国やインドネシアに工場を持ち、 ベトナム、 インド、 タイなどでも拠点を構築中。 世界的に事業展開を進める上で、 ガンツ化成の有機微粒子などの技術は有利になると合併が持ち上がった。
ガンツ化成は1955年の設立。 74年に丹波事業所を開設した。 従業員数は、 関連会社の崇広サービス (柏原町下小倉)、 崇広運輸 (同) を含めて約160人。 大阪市に本社があるが、 大半が柏原で勤務している。 もともと武田薬品の子会社だったが、 2003年、 アイカにガンツの株を売却。 アイカの子会社になった。
ガンツ化成の多川眞一常務取締役は 「60年近く続いてきた社名が消えるのはさびしいが、 世界的に大きく展開していく上でのステップと受け止めている」 と話している。
アイカ工業は、 1936年創立。 従業員数は約1700人 (連結)、 昨年度の売上高は約892億円 (同)、 経常利益は約94億円 (同)。