国蝶、 飛翔のきざし―。 篠山市南新町の竹林で2月2日、 オオムラサキの飼育に取り組んでいる篠山小学校6年生26人や地元住民らが越冬中の幼虫調査を行い、 1匹の生息を確認した。 この場所でオオムラサキの幼虫を確認したのは今回が初めて。 同校が丹波の森公苑 (丹波市柏原町) から譲り受けた幼虫を羽化させ、 竹林に放蝶したものの子孫である可能性が高く、 児童や関係者らは喜びに沸いている。
オオムラサキプロジェクトのきっかけは2009年。 地区内の竹林整備に取り組んでいる 「南新町美しいまちづくりの会」 (清水恵治会長) が、 竹林の中にオオムラサキの幼虫のエサになるエノキの大木があることを発見し、 京都大学名誉教授で動物学者の河合雅雄さん (乾新町) から、 「オオムラサキの飛ぶ森にしては」 とアドバイスを受け、 活動に取り組むことになった。
同校では、 県やPTAの協力を受けて、 校内の水鳥小屋を飼育ケージに改装。 同公苑から譲り受けた幼虫の羽化に成功し、 2年前から放蝶を行ってきた。
一昨年の放蝶後も調査に赴いたものの空振りに終わっていたが、 今回の調査で初めて幼虫を確認。 6年生 (担任・石井健一教諭) とともに調査した理科担当の川直哉教諭が、 特徴的な4本の突起がある幼虫を発見すると、 竹林に大きな歓声がこだました。
オオムラサキに詳しく、 当日の講師も務めた丹波の森公苑の足立隆昭さんによると、 放蝶したものの子孫だった場合、 丹波地域では初の成果となるという。