丹波市教育委員会は今年度、 教諭が授業で活用する 「デジタル教科書」 を市内6小学校などに導入し、 ICT (情報通信技術) を活用した分かりやすい授業に向けた、 さらなる研究を進める。 デジタル教科書は、 児童、 生徒が使う教科書と同じ内容、 レイアウトでつくられたソフトのことを言い、 国語であれば、 アンダーラインを引いたり、 新出漢字の書き順や用法が確認できるなど、 さまざまな機能がついている。 その機能の中から効果的なものを選択し、 いかに授業改善や学力向上につなげられるかを研究する。
昨年から三輪、 小川両小学校で、 1人1台の小型のタブレットパソコンを使った授業を展開している (4年生以上)。 今年度はさらに6小学校などを 「学力向上プロジェクト事業実践推進校」 として指定し、 デジタル教科書の指導上の効果などを研究、 検証する。
指定を受けたのは、 国語で中央、 遠阪、 算数で南、 前山、 進修、 鴨庄。 中学校は指定校を設けず、 全校で英語の授業に活用する。 市教委の指導主事と連携しながら、 学校ごとに研究。 年度末にはそれぞれに効果的な使い方や課題を持ち寄るかたちで集約する。 検証結果を、 他の学校、 教科に広げていくか否かの判断材料にするという。
算数では、 計算問題の答えが書かれている部分を隠して考えさせたり、 角度や図形の問題を動画で説明する機能もある。 これまで、 教諭が手作りした教材を黒板にはったりして説明していたことを、 ソフトが代役してくれるため、 教諭が子どもの顔を見ながら授業を進める時間が増え、 視覚に訴えかける授業ができる―などの効果が期待される。
丹波市教育委員会は、 「デジタル教科書に頼り過ぎると、 子どもたちが画面を眺めるだけの授業になる。 従来のように、 教諭が授業のまとめを板書し、 子どもたちがノートに書き取るのも必要なこと。 活用するという観点から研究を進めたい」 としている。
写真・市内6小学校などに導入されるデジタル教科書と、 実際の教科書=丹波市教育委員会で